この本は植物写真家の平野隆久さんが撮った写真に、編集者の片桐啓子さんが文章をつけて、2001年に初版が出た。

ガラス瓶に入れたマテバシイを、相談室の棚においていた。近くに小公園があった頃、どんぐり団子を作る時に、子ども達と拾って食べた覚えがあるが、これはそんなに昔の採取日ではない。

 

小学生が相談室にきた日に、この本を出して来て、一緒に見た。

コナラ、クヌギ、アベマキ、ミズナラ、と順にページをめくって写真を一緒にみる。スダジイ、シリブカガシと面白い名前にひかれる。細長い形や、丸っこくてコロコロ転がりそうなやつもある。ドングリ帽子はお椀状に丸いものから、クヌギのようにイガイガになっているものまで様々。

マテバシイは彼女の小さな手で瓶から出されて、久しぶりに外の空気を吸った。でも、松ぼっくりは手元になかったんだよね。

数日後に、市内にある東京大学付属田無演習林に行ってみた。

 

 

 

 

 

事務所に行って、子ども達に見せるために、松ぼっくりを拾っていいか尋ねたら、事務員の女性は「ちょっと待ってください」と中に引っ込み、しばらくして小さなダンボール箱を持って出て来た。

ほら。

 

「乾燥室で乾かして、タネを取るんですよ。たくさんあるからどうぞ」と言って、差し出された箱の中には色とりどりの松ぼっくり。

新年になって、昨日、小学生と松ぼっくりを見た。

まず、名前ね。

樹形こそ載っていないが、この図鑑は葉、雄花と雌花、木になっている青い松ぼっくり、落ちて乾いて開いた姿、タネの写真まで載っている。もちろん、世界中のね。松ぼっくりふうの実まで網羅されている。

私たちが決めた名前は以下。

赤松、黒松、カラマツ、杉、

それ以外の外国産は実力及ばず、不明のブラックボックスに入れた。

 

タネを取り出して、

「落とすとくるくる回るんだよ」

 

 

 

 

コップを探して

 

「水に漬けると傘が閉じるんだよ」

水を満たして蓋をしてみた。

 

 

 

うーん、うまくいったかな?

 

午後から来た中学生にも、松ぼっくりの箱を出して来て見せた。家の近くの都立公園を、犬と毎日散歩している彼は、図鑑を見て、名前を探してくれた。

「これはどっちも赤松」

私たちは開いた松ぼっくりの根元が赤いか黒いかで決めたのだけれど、

そうではないらしい。

本のページをめくりながら

「これはフウだね」

「ヒマラヤスギの松ぼっくりは、だんだんはがれるから、拾えないんだよね。これが枝に残る」

と、平べったい根元だけの写真を指差して、教えてくれた。

うーむ。さすが、公園名人。

今度、探してみよう。