歌の会とモンゴルの手あそび歌

<チクチーヘン チネー>

チクチーヘン チネー ビッシェー

チッヘー オーロー オガーヤ

ティメー フー アーン

ゴヨ ゴヨ ゴヨ

あたしは小指ほどじゃないよ

自分で耳を洗おう

ほんとだよ

きれい きれい きれい

この後2番は

指ほどじゃないよ

自分で服を洗おう

ほんとだよ

きれい きれい きれい

3番は

親指ほどじゃないよ

母さん、父さんの手伝いしよう

ほんとだよ

きれい きれい きれい

と続きます。

それぞれの指をたてて、首を振ってそんなに小さくないと言い、耳を洗ったり、服を洗ったり、服を干したり出来るよと表現する手振りが続き、最後の「ゴヨ ゴヨ ゴヨ(きれい きれい きれい)」では手をあわせてたたきます。

このわらべ歌の映像記録は2010年の11月1日となっています。9月1日から始まったモンゴル語の授業はどれも、ちっとも分からなかったので、正書法(キリル文字の綴り方)を教えているサロール先生が、毎週2回、家庭教師に来てくれていました。外国人向けモンゴル語準備クラスの授業は午前、午後、夕方と3部に別れていて、私は午前中で終わり、自分のアパートに戻ります。先生は授業の合間を縫って、アパートまで来て、モンゴル語のレッスンをしてくれていました。

ちょうどその日習った教科書に「ちょっと一息つきましょう」っぽく、お楽しみで子どもの歌が載っていました。サロール先生が教室で歌ってくれたので、早速、私の部屋で撮影させてもらったのでした。

サロースバクシわらべ歌10年11月1日 – 極小

2曲撮影しています。後半「チクチーヘン チネー」とタイトルを言ってから、この曲を歌い始めています。

正月休みに帰国後、ウランバートルに戻ってしばらくしたら、3月11日に東北大震災が起こり、再帰国。私は娘と孫たちを連れて九州に避難生活をしました。その後の慌ただしい生活で、この歌のことはすっかり忘れていました。

<こども診療所 歌の会>

2011年6月に留学を終えて帰国してから、秋にはこども診療所相談室を始めました。2012年の秋頃、退職された小学校の音楽の先生にお願いして、月に1回、水曜日の午前中に歌の会を始めました。相談に通っている女性が、音楽好きだったので、最初は彼女のために会を始めました。その後、近くに住んでいる知人に声をかけて、それそれが持ち寄った大好きな歌を歌っています。生ピアノは自由自在に音を紡ぎ出し、歌っていると心が軽々とひとつになります。音楽の先生はチャング(朝鮮の太鼓)を担いで来て、若者はリズムを習っています。あ、そうそう、子どもの広場のアイちゃんが参加してから、歌の会はとっても活気が出たんですよ。タンブリンやマラカスを持つと、リズムの付け方が抜群なんです。それぞれの持ち味が合わさってその回毎に違うムードが流れます。

私は長年の声帯酷使(小児科医の仕事はしゃべるのがメインですから)がたたって、先日、耳鼻科医から「何も話さないことが治療です」と言われてしまったので、歌集を作って渡したり、集めた歌のCDを作って貢献しています。

ちなみに集めた歌は、

石川大阪友好条約

ばたふらい

荒野のはてに

グリーングリーン

友だちはいいもんだ

カントリーロード

大きな古時計

虹になりたい

空に雲きみにぼく

なだそうそう

ルージュの伝言

ケ・サラと続き、合計24曲となりました。

その会で「モンゴルの子どもの歌がないねえ。何かありませんか」という話がでたので、この手あそび歌を思い出しました。

2012年の夏にウランバートルの若い医師、ヒシゲーさんの家を訪問した時のことを、以前、子どもの広場通信に書きました。ヒシゲーさんが姪っ子を抱いて手あそびをしてくれました。

チクチーヘン チネー ビッシェー

チッヘー オーロー オガヤー

1歳児はヒシゲーさんが手を持って動かすと、恥ずかしそうになされるがまま。遊び終わって、まわりの皆が拍手すると、本人も嬉しくなって、両手を打ち合わせてにっこりしました。

さあ、歌の会ではこれから皆で練習して、覚えなくっちゃあ。

(この文章は子どもの広場通信に掲載されました)

追加:

大人には覚えられない外国語のこの歌を、一度練習したきりで覚えて歌っている中学生が!いました。

参加してみたい方はお問い合わせ欄からご連絡下さい。